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「読書会」が脳にいい理由

上富良野町で読書会やっています

 こんにちは。地域おこし協力隊のみっちーです。
上富良野町で読書会やっています。

 私は、北海道帯広市出身です。
 子供の頃から読書家だった父や姉の影響で本を読むことが好きで
「ナルニア国物語」や図書館で借りた「怪人二十面相シリーズ」や
「シャーロックホームズ」なんかを夢中になって読んでおりました。

 できるだけ、「名作」と呼ばれている本は読むようにしており
そんな中、出会ったのが三浦綾子さんの「塩狩峠」。
その後人に勧められて読んだのが「泥流地帯」と「続泥流地帯」。
「十勝岳が噴火した」という事実は知っていたけれど
その陰にこんな物語があったなんて。。。と、
小説なのでフィクションなんですが、実在の方や地名も
多く登場するので、よりリアリティが迫ってきて
同じ北海道なだけに身近に感じ、どんどん読み進んだ記憶があります。

 

泥流地帯・続泥流地帯

 ちょうど1年ほど前。「泥流地帯映画化プロジェクト」に関しての
Facebookの記事を目にし、読み進めていると
最後に「地域おこし協力隊募集」の文字が。
 山登りが趣味の私の大好きな十勝岳連峰の登山口がある上富良野町ではないですか。
しかも大好きな「泥流地帯」。
「これは運命の出会いでは」とすぐに応募し、
採用していただいた結果今私は上富良野町にいます。

「泥流地帯」という作品について

 今年生誕100年となる旭川出身の三浦綾子さん(享年77歳)は「氷点」「塩狩峠」など人間の本質に深く迫る小説などたくさんの本を書かれていらっしゃいます。
 大正15年に起きた「十勝岳噴火」による泥流災害に見舞われた上富良野町を舞台に書かれた「泥流地帯」は、綿密な取材を重ね実在の人物も多く登場します。
 三浦綾子さんが泣きながら執筆したというエピソードもあり、
主人公の石村拓一、耕作の兄弟とその家族。それを取り巻く人々のドラマと北海道に入植した明治34年から2度の開拓を余儀なくされた上富良野町の歴史とフロンティアスピリッツ。絶望からの復興と希望の物語です。

 夫の光世さんと共に敬虔なクリスチャンでもあった三浦綾子さん。
「泥流地帯」は旧約聖書の「ヨブ記」を下敷きにして書かれたそうです。

 ヨブは、大富豪であり心正しき神の崇拝者でしたが
悪魔は「ヨブの信仰心は、神を崇拝することで、富や繁栄など
を得られているからに違いない。もし、その持っているものを
奪ってしまえば信仰心が失われるであろう」と
ヨブの持っている富や家族や健康を次々と奪っていきます。

 神に対して「どうしてこのような試練をお与えになるのですか」
と、叫んだ事もあったヨブでしたが、決して信仰は捨てませんでした。

 やがて、その試練に耐えヨブは以前にもっていた以上の
富や繁栄を手にします。このヨブ記と、泥流地帯。
「三浦綾子さんが言いたかったのは何なのか?」という
事を考えるのも一つの趣向です。

三浦綾子読書会

 三浦綾子文学はファンが多く「三浦綾子記念文学館」のもと
「三浦綾子読書会」という全国的な組織があります。
 旭川や札幌で開かれている会に何度か参加させていただき、新しい発見や学びをいただきましたし、すばらしいファシリテーターの方ともお会いすることができました。
 
「泥流地帯読書会」を、ぜひ上富良野町でやりたい。
という思いで上富良野町の教育委員会や図書館の方にご協力いただき 
第一回 「みんなの読書会」が開催されました。

スローリーディング

読書会は「スローリーディング」の形式で進みます。

「速読」というと、字の通り「早く読む」ことで、「スローリーディング」はその反対で「ゆっくり読むこと」です。

「速読」は、速く読みながらも内容をしっかり理解する。知識として吸収するためには良いかもしれません。(娯楽として読む小説や、試験勉強など)

「速読」は明日のための読書。反対に「スローリーディング」は、未来の自分のための読書とも言われております。

奇跡の授業 

 戦後、神戸の「灘高校」(中高一貫校)を、滑り止めの学校から
「東大進学率一位の学校」にしたと言われている橋本武先生(エチ先生)の「奇跡の授業」は、中 勘助の「銀の匙」を中学校の3年間かけて読むという国語の授業でした。

 この小説は、明治時代の比較的裕福な家庭で育った少年の物語ですが
その内容を、脱線しながら読み進めます。

 小説の中で出てくる、今の時代にはないものであったり
食べ物であったり。「なぜ?」「なんのこと?」という疑問を大事にし
実際に作って食べてみたり、同じ体験をしてみたり。
追体験することで本当の意味で理解する。みんなで話しあうことで
それぞれの個性を大事にするようになる。自分で「考える力」を養う。
その力は勉強だけではなく人としての「生きる力」となります。

エチ先生は
 「今の日本は、横道にそれることが許されない社会かもしれません。
 与えられた目標に向かってまっしぐらに走る。
 結果を出すことだけを追いかけている。
 いかに早く結果にたどり着くか。もちんそれも重要なことでしょう。
 でもそれだけでは人生は色あせてしまう。

 大切な事は、人生を生きていくために必要となる
 「考える力」を養うことです。
 そして、人生の横道にはキラキラと輝く宝物がたくさん落ちていることを
 知る事だと思うのです。」

とおっしゃっています。
三浦綾子読書会は、そんな「横道にそれながら進む」「考える力を養う」
魅力的な読書会です。

音読の効果

また、読書会は全員が順番に音読する形で進みます。
音読の効果は

 前頭葉が刺激されることで
  読解力を鍛えることができる
  コミュニケーション能力が向上する
 前頭前野が活発になり語彙力を身に着けることができる
 セロトニンが分泌されストレスを解消することができる

こんなに良い効果がΣ(・□・;)

上富良野町「みんなの読書会」

読書会


みんなで少しずつ輪読し、読んでいる中で疑問があれば
質問したり、話し合ったりしています。

例えば出てきた疑問は

「家伝薬で出てくる『にらの汁』って、生汁なの❓ゆでて絞ったの❓」
「半里」ってどれくらいの距離❓
「いろんな方言が出てくるのはなんで❓」
など。こういった疑問を、メンバーで詳しい方に教えていただいたり
スマホで調べたりしながら理解していく。

分からないことは素直に聞けば知っている人に教えてもらえるし
そうでなければみんなで調べればいい。

感想も

「意外と拓一って臆病だよね」とか
「このおやじは性格悪いよね」とか

こんな気楽な感じです♪

 短期記憶は脳の大脳新皮質の内にある「海馬」に保存されますが
このように経験によって裏付けられた記憶は「海馬」から「大脳」に
保存され、長期間にわたって保存されつづけます。

 「泥流地帯」は長編なので、いつ読み終わるかはわかりません
でも、読み終わったときには「人に語ることのできる自分の泥流地帯」が
出来上がっているんじゃないでしょうか?

 この読書会で「泥流地帯の足跡ツアー」とか
「出てくる食べ物を作ってみる会」とか
「泥流地帯お茶会」とかできたらいいなと思っています♪

色々言いましたが、読書会って楽しい場所です。

「みんなの読書会」は

毎月第二水曜日 午後6時から
   上富良野町図書館「ふれんど」にて開催しています。

ご興味を持っていただいた方は気軽にご参加いただけると嬉しいです。

 

                              みっちー

記事を最後までお読みいただきありがとうございます! 定期的に投稿を発信していきますので、よろしくお願いいたします。