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十勝岳ジオパーク‐十勝岳の特徴

こんにちは!ジオパーク推進室で専門員をやっている地域おこし協力隊のトミーです。2022年5月に着任しました。

ジオパークって何?とよく聞かれます。十勝岳の特徴的なポイントを挙げながら、説明していきます(説明できるようになりたい!)

日本ジオパークネットワークでは、次のように言っています。
 
「地質・地形から地球の過去を知り、未来を考えて活動する場所です。

ジオパークとは、地球科学的意義のあるサイトや景観が保護、教育、持続可能な開発のすべてを含んだ総合的な考え方によって管理された、1つにまとまったエリアです。」(日本ジオパークネットワークHPより)
 
うーん、なんかこれだけではよくわかりませんね。

「地球科学的意義のあるサイトや景観」、「保護・教育・持続可能な開発のすべてを含んだ総合的な考えによって管理された」「1つにまとまったエリア」? え? 結局地域のことを言うの? どういうこと?

という皆さんの疑問ももっとも!
少しずつ私と考えていきましょう!
 
「地球科学的意義のある」とは、地球が生きている証拠となるような特徴的な何かがある地域、珍しい何かがある地域、科学者の目がついキラッと光ってしまうような地域と言い換えることができます。多分。

そして、「保護、教育、持続可能な開発のすべてを含んだ考え方で管理」とは、その地域を守りながらいろいろなものに活用していきましょう!ということです。多分。

つまり、ジオパークって、地球上で特徴的な珍しい自然環境や地域とともに生きていきましょう!という活動ということではないでしょうか!?(飛躍しすぎか)
 
続いて、十勝岳ジオパークの特徴的なポイントを何点か紹介したいと思います。

ですが、特徴的なポイントといっても、たくさんありますので、今回は2つほど紹介します。
・波状丘陵
・石英を含む大地

日の出公園


波状丘陵

十勝岳ジオパークエリア内でみられる「丘」は、まさに北海道らしい景色の一つです。
この丘のもとになっているのは、約200万年前の美瑛火砕流堆積物と約150万年前の十勝火砕流堆積物です。

この丘の「なだらかな」斜面は、土や岩石が凍ったり溶けたりする凍結融解作用によって作られました。
北海道の大地は、冬に凍り、春に溶けます。土や岩石の中の水が凍る(凍結)と体積が増え、土や岩石をひび割れさせます。この氷が溶ける(溶解)と、ひび割れにそって土や岩がくずれやすくなります。

このように、地面が凍結と溶解を繰り返すことで、岩石が少しずつ細かくなり、地形をなだらかにします。

過去100~200万年の間には、「氷期(氷河期)」が何度もあり、現在よりも激しい大地の凍結溶解作用が働いたと考えられます。

現在の十勝岳の麓には、特に氷河期の大きな凍結溶解作用を経てなだらかにされた火砕流堆積物が広がっています。この火砕流堆積物は、現在の十勝岳連峰ができるよりもはるか前、大昔の大噴火によるものです。この噴火と氷河期の作用によって作られたなだらかな丘陵は、他のジオパークには見られない、極めて特徴的なものと言えます。
 

○十勝火砕流堆積物 – 約150万年前に現在の十勝岳あたりではせカルデラ噴火が発生したときに、噴出した火砕流。石英を多く含むのが特徴。
カルデラについては次回お話しします!
 

美しい丘陵風景

石英を含む大地

上富良野町に来て、晴れた日に歩いていると、地面にキラキラと光るものがたくさんあるのを見つけました。それはなんと、石英でした。

約150万年前に発生したカルデラ噴火による十勝火砕流堆積物には、石英が多く含まれることが特徴なので、地面に散りばめられた石英の結晶に太陽の光が当たることでキラキラと不思議な光景を見せているのだとわかりました。

石英は、二酸化珪素から成る、ツヤツヤな鉱物のことです。陶器やガラスの原料となります。英語でQuartz(クォーツ)といいます。どこかで聞いたことはありませんか?

ここ十勝岳ジオパークエリアでは、キラキラ光るなだらかな丘陵というとても貴重な風景を体感することができます。

顕微鏡で見た石英

十勝岳ジオパーク

美瑛町と上富良野町が協力して十勝岳ジオパーク推進協議会を立ち上げ、十勝岳ジオパークを推進しています。

十勝岳ジオパークは、2022年1月24日に日本ジオパークに認定されました。


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